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9月16日読了時間: 0分


9月16日読了時間: 0分
俺の思いは絵になれない 商業誌
にわか雨が続く六月の末。 まだまだ季節は暗く淀んだ梅雨の最中。 分厚い雲をすり抜けてきた日差しを浴びて、俺は大きなショッピングモールの中に入った。 雨宿りに逃げてきたのか、はたまた単純に買い物に来ていたのかは分からないが多くの人々で埋め尽くされていた。ため息をつく。人混みは苦手だ。ひきこもりには更にキツい。 さっさと買い物を済ませてしまおう。 目的の店はたしか三階。 カチリ。小気味よい音を立てたボタンと共に奴が降りてくるのを待つ。 そそくさと乗り込むと小さなエレベーターの窓から下を見下ろす。無数の車が道路を忙しなく駆け回り、傘の花が咲いている。 みんな、何を必死に歩いているんだろうか。俺は買い物に出るだけでもしんどいってのに。 そんな自分にウンザリし、静かにイヤホンの音量を上げた。 エレベーターを降りて暫く歩いた所にそれはあった。 「ほにゃらら書店」。新書の匂いを周囲に漂わせて静かに佇んでいる巨大蔵書庫。 入ろうとして少し躊躇う。なんだか誰かに見られている気がした。お前みたいな奴が本屋に?馬鹿は本を読んでも無駄ですよ〜。 そんな風に見られているよ
8月30日読了時間: 5分


8月14日読了時間: 0分
俺の思いは絵になれない 『1750』
大きな音で目が覚めた。 今日もザーザー降りの雨だ。おまけに雷まで落ちている。 時刻は午後四時四十六分。二度寝を決め込もうか悩む。 しかしずっと寝ているわけにもいかないので身体を起こしカーテンを開けた。遅すぎる。 曇天が遠い街にまでのびているのが見えた。これが終われば、夏本番だな。煩わしい。徐ろにカーテンを閉めた。 俺の名は夢先ゆめさき。 少々妄想癖の過ぎた、ただの社不創作者である。 その日。俺は偶然見ていた流行りもののアニメのキャラクターを描いていた。 別に好みでもなんでもない。ただ描きやすそうだったからだ。実際ソイツは描きやすかった。二十分でバストアップ一枚。可愛らしく描けた方だな、と暫く眺める。 生まれてこの方、版権作品のキャラクターを描いたことなど数えるほどしかなかった為不安だったが思ったよりも可愛らしい少年が出来上がってしまった。少し自信を取り戻す。 システムを開き、PNG画像として保存する。 開かれたファイルはオリジナルキャラクターのイラストをため込んでいるものだった。赤髪の少年のイラストばかりが入っている。 俺はイラストをクリックした
8月14日読了時間: 6分


俺の思いは絵になれない 『無意味』
延々と雨降り注ぐ梅雨の瀬。 黒黒と濡れた地面が街灯の光を反射し窓の内から見つめる俺を蔑んでいるようだった。 徐ろにカーテンを閉める。どこかで車が水たまりを踏む音がした。 もうすぐ夏が来る。 忌々しく輝く太陽の下で、御天道様よりも忌々しく記憶を焼き付けられるあの夏が。はあ、とため息をついた。 きっとみんなは大忙しだ。仕事、恋愛、それから—— 「好きなこと……ねえ……」 ぽつりと誰にも届かない呟きを落とす。 デスクトップパソコンの電源を押し、駆動音に思いを巡らす。チカチカと青白く点滅しているLEDが俺を嘲笑している気がして目を伏せた。 画面が一度真っ白になり、かと思えば暗くなって暫くするといつものロック画面が表示された。 大昔に描いた、オリジナルキャラクターのイラスト。学ランを着た焼けた肌の少年が夕暮れの中笑っている。 大して目もくれずにパスワードを入力する。タイピングミスで何回かやり直す羽目になったのはもはや恒例だった。 ようやくキャラの誕生日を入力し、エンターを押す。 無数のファイル、ゲーム、そしてSNSのアイコンがまるで岩の裏に沢山住んでいる虫
8月14日読了時間: 7分
恋慕に溺れる
私は殺人を犯しました。 大好きなあの子を犯しました。 心の底、いや、子宮の底からドロリと溢れる衝動に駆られあの子を犯しました。 「……………………」 血まみれで白目を剥いているあの子を見下ろしています。 こんな顔も出来たのか、そしてこの顔を見ているのは私だけ。嗚呼……神様よ!世の中はなんと残酷なのでしょう! あの子の腹に刺さっている包丁を見下ろすと、隙間からごぽごぽと血が滲み出てきています。 ああ……奇を衒っている訳ではありません。 これはどうしようもない性愛。 あの子への恋慕なのです! ——確か、一年生の秋頃だった。 私はクラスの上位にいた。流行りものにしか目がない、十数秒の音楽に合わせて踊るだけの能しかない猿どものボスだった。 私は合わせた。爪を鋭利に伸ばして飾り付けし、髪の色を抜き、そして馬鹿な男たちと恋の真似事をした。毎日が退屈で、そして下らなかった。 「今度西校との合コンあるんやけど、××も来るやんな?」 「てかこの前お持ち帰りされた後どうなったん?ヤッたん?(笑)」 またこの類か。 どいつもこいつも猿のように盛っては他人の性行為に首を
8月14日読了時間: 5分


2月16日読了時間: 0分
院内改築履歴
2025 / 08 /24
2025/09/05
2026/08/14 ←最終更新
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